未払いの残業代を請求するには
■残業代と法律
会社と労働者の間では一定の労働時間が定められており、これを所定労働時間といいます。そして、所定労働時間の上限は、1日8時間・1週間40時間とされています(労働基準法32条1項)。
所定労働時間を超えて労働した場合、企業はこれに対する賃金を支払わなければなりません。これを残業代といいます。所定労働時間・法定労働時間を超過して労働した場合や、休日に労働した場合には、通常賃金の1.25倍~1.5倍の割増賃金が発生します(37条1項、36条1項)。
判例上、労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれた時間をいうとされています。具体的には、制服に着替える時間や教育訓練、休憩時間中の電話番などが労働時間として認められています。
■残業代請求の流れ
〇口頭による話し合い
会社が残業代を支払わない時は、まずは口頭で話し合います。残業代が未払となっていることを上司や担当者に伝えて、支払うように要求しましょう。単に手違いで未払となっていたような場合には、これだけで解決するはずです。
〇内容証明郵便の送付
口頭で要求しても会社が残業代の支払いを渋る時は、会社に対して内容証明郵便を送付しましょう。内容証明郵便には、会社の名称・住所、ご自身の氏名・住所の他、残業をしたこと、残業代が支払われていないこと、証拠があること、請求金額と支払期限を記載します。
内容証明郵便を送付すると、労働者が会社に残業代支払を求めたことが証拠として残ります。これにより、残業代債権の時効の進行が6カ月間停止します(民法150条1項)。残業代債権の時効は2年間で完成するため、注意が必要です。
〇労働審判
労働者と会社だけで解決することが難しい時は、管轄の地方裁判所に労働審判を申立てましょう。労働審判は裁判所で行われる手続きですが、訴訟と比べて時間がかからないという特徴があります。
労働審判では、裁判官と労働審判員が各当事者からの事情聴取を行い、適宜調停を試みます。当事者が歩み寄ることができた場合には、調停が成立し、手続きが終了します。話し合いによる解決が難しい場合には、労働審判委員会が審判を出します。当事者は審判から2週間の期限内で異議申し立てを行うことができ、異議申し立てが行われると労働審判は効力を失い、訴訟手続きに移行します。
〇民事訴訟
民事訴訟では、労働者が原告となって証拠を提出し、残業代債権があることを立証します。訴訟手続きでは労働審判と比べて慎重な審理が行われるため、費用や時間がかかります。
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Lawyer Introduction弁護士紹介
大亀 将生ŌKAME MASAKI
【大阪弁護士会(登録番号 43461)】
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相続問題、離婚や交通事故などの個人のお悩みから、企業法務のご相談、トラブル解決、労働問題まで、ネットワークを生かした総合サポートの蒼星法律事務所に所属する弁護士です。
- 経歴
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- 岡山県瀬戸内市出身
- 岡山白陵高等学校 卒業
- 東京大学理科Ⅰ類 入学
- 東京大学工学部システム創成学科 卒業
- 慶應義塾大学法科大学院 入学
- 慶應義塾大学法科大学院 修了(法務博士)
- 弁護士法人川原総合法律事務所 入所
- 弁護士法人川原総合法律事務所 退所
- 梅田法律事務所 入所(パートナー弁護士として経営に参画)
- 梅田法律事務所 退所
- 蒼星法律事務所 開設
Office Overview事務所概要
名称 | 蒼星法律事務所 |
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所属団体 | 大阪弁護士会(登録番号 43461) |
所在地 | 〒541-0041 大阪市中央区北浜2丁目6番26号 大阪グリーンビルディング8階 |
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