口約束で貸したお金が返ってこない場合の対処法
口約束で貸したお金の返済をお願いしたところ、契約書がないため返す必要がないと言われてしまったというご相談をいただくことがあります。
本ホームページでは口約束でお金を貸してしまい、返済をしてもらえない場合の対処法について解説をしてきます。
◆口約束でも返済義務はある
結論から申し上げると、口約束で貸したお金であっても、相手方には返済義務があります。
借用書などの書面がないからといって踏み倒すことは許されていません。
金銭の貸し借りは、民法587条の金銭消費貸借契約というものにあたり、銀行や消費者金融だけでなく、個人の場合であっても適用されます。
民法587条の規定では、金銭の授受があった段階で、借りた側に債務が発生しているとされるため、契約書や借用書の有無に関係なく、返済義務があるといえます。
基本的に金銭の貸し借りがあった場合には、返済時期を定めるのですが、口約束である場合には定められていない、定めていたが両者の返済時期が食い違っているということもあるでしょう。
このような場合には、貸主がお金を返して欲しいと思った段階で、催告を行うことによって、返済を促すことができ、借主が返済をするために必要な準備期間として、相当の期間というものを設ける必要があります。
◆借用書がない場合にはどのようなものが証拠になるのか
上記の通り借用書や契約がないからといって返済義務を免れることはできません。
しかしながら書面での資料がないと、金銭の貸し借りがあったということを証明することは難しいように思われます。
口約束で金銭の貸し借りがあった場合には、借金に対するメールやSNSでのやり取り、電話の録音、銀行の送金履歴などが証拠として効力を発生させる可能性があります。
また直接の証拠とはなり得ませんが、借主が金銭を借りたことを強く推認させる間接証拠と呼ばれるものを示すことができます。
具体的には借主の金銭の動きや、金銭の貸し借りがあった当時の借主の経済状況などから推認させることができます。
また、現金を手渡ししていた場合には、手渡ししていた箇所を映像等で残すのは難しいですが、ATMの引き出し履歴などから間接証拠とすることも可能となっています。
◆消滅時効
消滅時効とは、一定の期間が経過することによって債務が消滅することを指します。
基本的には、権利者(今回の場合であれば貸主)が、権利を行使できることを知ってから5年、もしくは権利を行使できる時から10年行使しなかった場合には、時効によって債務が消滅します。
しかしながら、借主の側としては10年間返済を拒否し続ければ借金を踏み倒すことができるということではありません。
貸主が裁判所を通じて支払いを求めた場合であれば、時効が一時的に中断します。
また、催告を行なった場合であっても同様です。
さらに借主側が返還請求に対して、「またいつか返す」といったような返事をした場合には、債務の存在を認める、つまり承認したことになり、返済する旨の発言をしたときから時効がリセットされることとなります。
貸主側としては、借主が債務を承認した旨をしっかりと証拠として残すために、メールやSNSなどを通じて催告をすると良いでしょう。
弁護士 大亀 将生は、大阪府を中心に離婚、債務整理、不動産トラブル、労働問題、刑事事件などのさまざまなトラブルの相談に対応しております。
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大亀 将生ŌKAME MASAKI
【大阪弁護士会(登録番号 43461)】
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- 経歴
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- 岡山県瀬戸内市出身
- 岡山白陵高等学校 卒業
- 東京大学理科Ⅰ類 入学
- 東京大学工学部システム創成学科 卒業
- 慶應義塾大学法科大学院 入学
- 慶應義塾大学法科大学院 修了(法務博士)
- 弁護士法人川原総合法律事務所 入所
- 弁護士法人川原総合法律事務所 退所
- 梅田法律事務所 入所(パートナー弁護士として経営に参画)
- 梅田法律事務所 退所
- 蒼星法律事務所 開設
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