【弁護士が解説】離婚調停を長引かせるメリットと注意点
離婚調停の長期化には、プラスとマイナスの両面があります。
十分な協議時間の確保や証拠収集など、有益な効果が期待できる一方で、精神的な負担や費用面での課題も生じるでしょう。
この記事では、離婚調停の期間が延びることで得られるメリットと、その際の注意点について詳しく解説します。
離婚調停を長引かせることで得られるメリットとは
離婚調停を長引かせることは、望ましくない場合が多いものの、状況によって以下のようなメリットが期待できます。
十分な協議を重ねて合意形成を図れる
離婚条件について、納得のいく結論に至るまで話し合いを継続できる点が挙げられます。
慰謝料や財産分与、養育費などの取り決めは、一度合意すると変更が困難になるため、疑問点が残る場合は粘り強く協議を重ねましょう。
不貞の証拠を集めるための時間を確保できる
配偶者の不貞行為が離婚理由の場合、離婚調停を長引かせることで、十分な証拠収集の時間を確保できます。
不貞が原因の離婚では、適切な慰謝料請求のための証拠が不可欠となり、調停期間中に決定的な証拠を入手できる可能性もあります。
婚姻費用の受け取りが継続できる
別居期間中は収入の多い配偶者から婚姻費用を受け取ることが可能です。
調停期間が延びることで、離婚が成立するまでの間、収入が少ない方の生活を支えるための婚姻費用の支払いが継続されます。
結果として、受け取れる金額の総額が増える可能性があります。
子どもの監護実績を重ねて親権取得の可能性を高める
子どもの日々の監護実績を積み重ねることで、親権取得に向けて有利な立場を築くことが可能です。
調停期間中の別居時に、子どもに対する養育状況を詳しく記録し、裁判所への証拠として提示することで、親権取得の可能性が高まります。
離婚調停を長引かせる場合の注意事項
離婚調停の長期化を検討される場合は、以下の注意点に留意してください。
長期化する調停に出席する場合は職場に報告する
平日に開かれる調停への出席が、長期化すると勤務先への説明が必要になる場合があります。
プライバシーに関わる事実を職場で非公表にしておきたい場合でも、定期的に休暇を取得していると、状況説明を求められる可能性があります。
メンタルケアを意識したストレス対策をする
長期化する離婚調停では精神的な負担が増大するため、適切なストレス解消法の確立が重要です。
調停委員を介した話し合いでも、離婚協議を続ける相手との接触は心理的な苦痛を生みます。
特に双方の主張が対立する場合は強いストレスを感じやすいため、心の健康を保つ工夫が欠かせません。
弁護士費用がかさむ可能性に注意する
離婚調停の長期化に伴い、弁護士への支払い費用が増える可能性があります。
弁護士が調停に出席するたびに日当が発生し、特に遠隔地の裁判所への出頭では、追加の費用負担が生じる可能性が高いでしょう。
さらに調停が不調に終わり訴訟へ移行した場合は、新たな着手金や報酬が必要となるため、想定以上の費用負担を強いられるかもしれません。
まとめ
離婚調停の長期化には、十分な協議時間の確保や証拠収集、婚姻費用の受け取り、親権取得に向けた養育実績など、いくつかのメリットがあります。
一方で、職場での説明責任や精神的負担、弁護士費用の増加といった課題も生じます。
状況に応じて長期化のメリットとデメリットを見極めることが大切です。
ご不安な点は、早めに弁護士へご相談ください。
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大亀 将生ŌKAME MASAKI
【大阪弁護士会(登録番号 43461)】
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- 経歴
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- 岡山県瀬戸内市出身
- 岡山白陵高等学校 卒業
- 東京大学理科Ⅰ類 入学
- 東京大学工学部システム創成学科 卒業
- 慶應義塾大学法科大学院 入学
- 慶應義塾大学法科大学院 修了(法務博士)
- 弁護士法人川原総合法律事務所 入所
- 弁護士法人川原総合法律事務所 退所
- 梅田法律事務所 入所(パートナー弁護士として経営に参画)
- 梅田法律事務所 退所
- 蒼星法律事務所 開設
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